10月18日(金)、JR駅ハイ期間設定コース(in 軽井沢)の「中山道追分宿探訪ぶらり旅(約7km)」に、恒例のオジン隊3人で行って来ました。
今回、ハトちゃんは、9時軽井沢駅集合ということで、駅ハイでは初の新幹線。もちろん、大学の先輩たちは新幹線利用。二人は東京駅(7:52発)からあさま507号に乗り込み、小生は上野から。
3人がけの座席をとっておいてくれました。8月はお休みだったので2ヵ月ぶり。元気で再会して、この間の報告やら四方山話に花が咲きます。「日本で一番の長寿が長野
県だとか...」。さすがに、新幹線は速くて乗り心地が抜群。高崎を通過し2駅で軽井沢駅着(9:12)。車外に出ると、曇っていましたが、うっすらと陽射しがあって思ったより寒くない。
早速、駅前の観光案内所に立ち寄り、スタートの手続き。もらったコースマッ
プが手書きだったのも駅ハイ初。
しなの鉄道(9:30発)に乗り換えるも、車内はガラガラ。「高原列車は行く♪」の歌を小生が口ずさむと、二人は「古っ!」と知らんぷり。3つ目の「御代田」駅で下車(9:46)。当然、無人駅で切符を回収箱に投函。
品川の@風来坊こと兼子隊長の先導のもと、駅前からコースに沿っての予定でしたが、地方なのに矢印が無く、手書きのマップを見ながらとりあえず歩き出します。コースは、中山道に沿っての1駅区間戻る形。栄町の交差点で左折の指示がありますが、行き過ぎて地理
に強い遠藤副長が助け舟。戻って、中年の男性ウォーカーの後を追う形で、やっと狭い地下道を下りて上って反対側へ。最初からつまづく―。どうやら、同じ電車の駅ハイ参加者は4人だけみたい。
手間どったので、線路跡(D51)スイッチバックは省略。旧中山道の山道を上って行きます。昔の
街道歩きの大変さに思いを寄せながら進んで行きます。道の脇の用水路を清い水が勢いよく流れています。どんぐりや秋の味覚、栗も弾けて落ちています。周りの木立を観ながら、ところどころに、秋の
花、コスモスが咲いています。途中、暑くなって来たので、首からかけていたタオルを取ると、ぶら下げていたデジカメが道にポトリ。うっかりミス。当日は写りましたが、後日、故障でレンズが開かず痛い出費。
道は一本道で間違うことはないのですが、なかなか右折する分岐点が出て来ません。
前を歩いていたウォーカーは何度か立ち止まったり、こちらに確認したり。
その頼りなさに、先日、ハトちゃんが参加した南浦和駅近くで、前のウォーカーに付いて行ったら、コースを間違えて遠回りになった話も出ました。前のおじさんは、あてにならないので、自分たちで判断しようということに。
左手に、大きく浅間山が観えて来ました。浅間山の噴火の話で持ちきり。
遠くの山々や浅間山麓の景色を眺望。周囲は秋の装いにはまだ早い感じで、長袖1枚で歩けてウォーキングにはもってこい。
「まだか」と疲れ始めたとき、やっと分岐点にある記念碑が見つかりました。千
ヶ滝(御影)湯川用水温水路の表示があり、右折すると用水の入口で、幅広ながら水かさの少ない用水路の脇に、散策道が続きます。広く浅く水が流れることにより、水が効率良く暖まり、稲を育てるには、水温が重要とのこと。
赤とんぼがすいすい飛んでいたり、カモが3羽悠々泳いでいたり。両脇には別荘、保養所の洋風建築が並んで観られます。
用水路を隔てて、ゆっくりと自然美を堪能。風邪をひいていた小生は、軽井沢の高原の風で吹っ飛びました。
やっと、三つ目の橋にたどり着くと、前のウォーカーが止まっていて、コースを一緒に確認後、左折して歩き出します。
舗装された林道の両脇は、シラカバやナラなどの森林と別荘群が続き、前の職場H大学の北軽井沢村の話に飛び火。
途中の「カフェ」「レストラン・ケーキ」店を副長が確認してくれて、笑坂を右折して上り、前方に広い国道18号線が見えて来ます。旧中山道の長い坂道(笑坂という)を上り詰め
ます。浅間サンライン入口の交差点を横断して直進。「なぜ軽井沢に、シャーロックホームズの像?」と話しながら、右折する道を探すも、マップの位置関係が間違っていて、4人とも疑心暗鬼。ホームズへの道が謎?になっていました。
結局、最初行こうとした道と合流し、庚申
塚や馬頭観音が奉られた緑地があり、その中に「シャーロックホームズの銅像」がありました。銅像の脇の説明書きによると「翻訳家の延原謙が追分でシャーロック・ホームズの物語を全訳したのにちなんでこの地を選び、ホームズ登場100周年を記念して有志一同が建てた」とのこと。それにしても、目立つようにもっと道の側に建てればと思った次第。
北国街道とぶつかる所が追分で、宿場町の雰囲気がよく残っています。二つの街道の分岐点が現在の国道18号線沿いにあたり、
そこには「分去れ」と呼ばれる史跡があります 〔中山道分岐入
口の道標〕。その先のラーメン店横からきれいな石畳が続いて、歩きやすい旧中山
道へと...。高札場跡も...。
両脇には、土産店や飲食店、公民館などがあり、店を覗きながらゆっくりしたペースで3人組は進みます。
途中の左側に、文化磁場「油や」に立ち寄ります。油屋」は中山道・追分宿
で脇本陣をつとめた由
緒ある旅籠であり、昭和になってからは堀辰雄・立原道造・加藤周一に代表される文士たちが執筆に利用した宿として、多くの作品の舞台となりました。今でも2階の5室は宿泊できるとのこと。
「油や」では、文化的活動(本・アート・クラフトなど)の拠点として、 イベント・本やアート・クラフトなど良
質の地元作家による作品、展示会を開催。本館の玄関には、ネコの置物やネコ関連グッズが置いてありました。江戸時代は、通りの反対側で本陣を営んでいたそうです。ここで、しなの鉄道の帰り電車の時刻を確認。
油やを出て、間もなく右手に山門の先に、「堀辰雄文学記念館」へ。
チェックポイントの判を押し、入館。敷地内には、辰雄終焉の家、書庫、辰雄没後に夫人が建てた家(常設展示棟)、管理棟、文学碑などがあります。辰雄が
古い宿場の面影を残す「追分」に惹かれて、度々訪れて『風立ちぬ』などの作品を執筆しました。ゆっくり鑑賞して小休止。
アニメで世界的に有名な宮崎 駿 最終作品「風立ちぬ」(7.20全国ロードショー)で、主人公のモデル像の一翼を担った堀辰雄を紹介したポスターやチラシもありましたが、上映も少なくなり、当然、文学館ということで宣伝は少なめでした。
街道の石畳を歩いて行くと、まばらな観光客に出会い、浅間神社を過ぎて、
追分宿郷土館は寄らずに先に行くことに...。
石畳の道とサヨナラして、国道に出て直進。歩道橋前にある、小学校舎では珍しい洋風のモダ
ンな軽井沢西部小学校に3人とも見惚れました。歩道橋を渡って、反対側に下りて、そばや前で右に入ります。
コースに矢印が無いので、3人
があれこれ問答しているところに、前方から、地元農家の車が。すると、親切に、「この道が駅への近道で10分ほど」と教えてくれました。
御礼を言って、信濃追分への近道をしばらくしゃべりながら歩いていたとき、後ろから先ほど道を教えてくれた車が戻って来て助手席に乗っていた
おばさんが、「1個しかないけれど、食べてちょうだい。また来てね」と。真っ赤なりんごをいただき、感激。りんごは長野県特産で、軽井沢の暖かい人情を感じました。
信濃追分駅へは次の電車まで約40分の待ち合わせで、トイレや着替えたりして休憩。しばらくし
て、ホームに出ると電車の来る方向がどちらか話していると、カラフルなコスモスが咲く横のベンチに座っていた女性がにこやかに微笑んで教えてくれたのが印象的。かえって、こちらが田舎者に見えたかも?
電車は、意外にも4両編成。軽井沢まで2駅だったので、間もなく到着。早速、観光案内所でゴールの手続き。軽井沢の写真(浅間山など3種類)付きのプッチンクリップを記念にいただきました。
昼食がまだだったので、観光案内所で教えてもらった駅前の軽井沢プリンスショッピングプラザ
(通称;アウトレット)へ。案内役の隊長が左折と右折を間違えたお陰で、ショッピングプラザのブランド店などをウィンドーショッピング。芝生広場や池、隣接するスキー場、山々を眺めるビューポイントを1周。駅近くのスキー場や大型商業施設を持っているプリンスホテルの大きさに感心しきり。食堂街を聞いて駅デッキ下まで戻り、真っ直ぐに進むと左手にやっと「味の街」。
だいぶ昼どきを過ぎているにもかかわらず、人の波。店外で待ち人が列をなしています。空いていた中華料理「翠天楼」へ入店。3人で瓶ビールで乾杯。翠天楼セッ
トは辛くなくて美味。先輩たちは、さらに紹興酒を注文。しばし反省会と、来月の西日暮里
での再会を約し、1時間ほどで切り上げました。外へ出ると、だいぶ寒くなって来て、1枚上着を羽織る副長。
食事後、軽井沢駅(15:00発)あさま530号に乗って、帰ることに...。新幹線は、平日というのに多く乗車していましたが、バラバラに着席。途中、高崎駅で小生のみ在来線に乗り換えるので、挨拶に行くと副長は飲んだこともあって、ぐっすりご就寝。起こさずに隊長にお願いして乗り換えました。そこから、2時間40分の長丁場で、最寄りの幕張本郷駅へ18時10分過ぎ...。鈍行はつらいが安上がり。
【軽井沢は、避暑別荘地で有名ですが、低経済成長下で別荘の売地も目立ちました。自然の中で浅間山を望み、中山道追分宿をはじめ文士家たちの散歩道を歩けて、また地元の人情にも触れられて、遠くまで来た甲斐があったというもの。もう少し遅いと、すばらしい紅葉が観られたのかと思い、ちょっぴり残念】
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翌々日、隊長と副長は、副長の地元、我孫子駅ハイに参加。小生は自治会の防災訓練(実際は雨天中止)で不参加。お二人は、雨でも決行(結構)、熱心なウォーカーが集まり、濡れながらもよく
歩いていたそうです。
隊長いわく、「かえって、体と心が洗われていいのかもしれない」と。副長は「2時間程度で、コースどおり全部歩き、夕方に犬の散歩に行きましたが、強い雨に打たれてゴンちゃん(我が家のワンちゃん)はヘロヘロでした」とのメールがありました。
また来月、西日暮里でご一緒しましょう!