2020東京五輪は、東京に「緊急事態宣言」が発出される中、17日間のアスリートによるスポーツ・平和の祭典が8月8日、やっと閉幕した。IOCのバッハ会長は、開催されたことを高く評価、「パンデミックが始まって以来、世界が一つになった」と言って全く認識がズレている。菅首相や小池東京都知事に功労賞を渡すという。本来は、コロナ渦でも我慢して開催に協力した国民や関係者、ボランティアなどが受賞されるべき。この間、急増した爆発的感染は、閉幕後、総括し今後の感染縮小および収束に向けて、どう取り組むか、検証・対策を講じるのか、具体的日程や対処法をきちんと指示してもらいたい。
確かにアスリートのパフォーマンスやメダルの獲得は、毎晩、テレビに釘付けで、熱心に応援し、一喜一憂して寝不足にもなったが、毎日、新規感染者の最高数字が出るたび、不安が増して、出かけるのも今まで以上に神経質にもなった。東京の5千人や地元千葉の千人超えは衝撃だった。政府の感染対策はマンネリ化して、人手や人流はほとんど減っていない。一部で浮かれている間に、より感染が深刻になってきている。
マスコミは、この間、五輪一辺倒の報道になり、選手のメダル獲得者の写真や勝利の瞬間を大きく紙面で割いて活躍の様子を伝えて来た。感染関連の記事はわずか。
真夏の大会の課題も際立った。無観客がゆえに、この程度の感染者で済んだものの、マラソンの棄権者など、熱中症対策も課題となった。コロナ予防接種開始の遅さや混乱、デルタ変異株の猛威、入出国のチェックなど、不十分なことが目立った。心から喜べない人々は、私だけではあるまい。
約2週間後、パラリンピックも開催される。「緊急事態宣言」下、無事に終わることだけを願っている。
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