「東の佐倉、西の長崎」と呼ばれる蘭学の盛んだった城下町をたずねて
悪天候のため、2週間で3回延期された大学職員時代の先輩たちとのウォークは、4度目でやっと実現の運びとなりました。今回も延期されたら、「負のスパイラル」で人生に暗雲が漂うような気も。昨日も雪がちらつき、天候が心配されましたが、朝は冷たい外気ながらも 2月20日(水)、「JR 駅ハイ」で 「千葉県佐倉の城下町散策と七福神めぐり(約8.5km)」に行って来ました。
10時30分にJR「佐倉」駅に集合。遠路、なぜか品川から特急を利用して来た 、髭の恵比寿様 Kさんと、我孫子の微笑み大黒天 Eさんも苦笑いで再会。階段下の観光情報センターで受付。カード読み取り機が無く、会員番号と名前を記載してスタート。ローカルな雰囲気で、女性係員に参加者の情報を聞く。
道案内は、昨年に続き「佐倉駅ハイ」連続のハトちゃん。和気藹々に話しな がら、まず、駅前のロータリーから城南橋に向かう道に、女性の彫刻像が等間隔で数体並ぶ。ここは彫刻通りと呼ばれています(10:37)。橋を渡ると高崎川の土手沿いに進む。竜灯橋手前で右折し、佐倉八景園を回り込む。
すると、城南堤が右側に続いていて、道路に比べて3mぐらい高くなっていて、約2kmほど。芝生の刈り込みがきれい。桜並木が続き、お花見の頃は賑わう感じ。左側は高崎川と田園風景で、見晴らしが良い。本日は、スタート時間が遅いので、前後にウォーカーの姿が見えない。佐倉城址公園の入口(10:56)になっている山道を上ります。
公園内は広くて、出丸跡、天主台跡、大きな夫婦モッコクの樹、佐倉の街並みを高台から眺め、佐 倉城址の広さに3人とも感心。一の門~三の門跡、堀田正睦公像、タウンゼント・ハリス像の前で、案内文を読む。
来たついでに、公園内の国立歴史民俗博物館〔通称、歴博〕洋風の外観と手 前の手入れの行き届いたサツキの植え込みを見物。その後は、一番年上のK氏が近道に気づき、階段を下り上りして、くらしの植物苑(11:24)の前へ。
すると、見事な右側のイチョウ並木の真ん中を、ジャージ姿の女子中学生(佐倉中)が走っていて、間もなく右手奥の校門脇で声援中。なぜか、中年オジン3人組も手を振ったりして、逆に照れまくり。
右折する駐車場前に→が、手前にも道があり、途中で1本に。コースマップでは手前になっているのに違う道に→が。同じところに出たので、支障なし。その後、坂を下って行きます。途中、木の伐採 中。
竹林でも伐採中。細い山道(土の階段)の入口に、武家屋敷方面と案内板がありました。サ ムライの古径 ひよどり坂(9:57)で、竹林に囲まれた坂道は、武骨な雰囲 気が漂い、京都・嵯峨野を思わせる。ひよどり坂を上がった手前に最初の七福神、大聖院〔布袋尊〕。
先は、平らになっていて、武家屋敷(11:38)が続く道で、藁葺 屋根の旧但馬家住宅、旧武居家住宅、旧河原家住宅など武家屋敷が道なりに点在していて、往時の面影が残っています。
武家屋敷群を抜けると、左折しジグザグに左折、右折すると正面 に七福神で恵比寿天・福禄寿の麻賀多神社〔佐倉藩の総鎮守で古くから「まかたさま」と親しまれている〕 (11:48)。手前には、佐倉養生所跡の石碑が。
そこから、佐倉市街の通りに。ちょうど、3/3まで「佐倉・城下町ひなめぐり」開催 中で、ひな人形が店頭などできれいに飾られていました。佐倉市立美術館〔佐倉・房総ゆかりの作家作品を中心に収蔵・展示〕に入館するも、特別展示「ルパン3世展」は有料なので、1階のフロアで記念写真 のみ(12:00)。何でも、モンキー・パンチ(漫画家)が佐倉市在住だそうです。
駅ハイ特典店舗に立ち寄って、お茶のプレゼントや茶のサービス、トイレ休憩を。
通りに面して、手づくり工房さくらは、旧商家を利用し、お休み処、地元工芸作家の作品展示・販売。体験教室も有。 佐倉新町おはやし館で、佐倉市指定無形文化財の佐倉囃 子の歴史、伝統を継承する憩いの場で、きらびやかな山車人形の展示もありました。
次に訪れたのが、「歴史生活資料館」〔商家や民家の懐かしい小道具や家具、 城下町佐倉の歴史や生活、佐倉城に関する写真、資料など展示〕(12:16)。 中に入り、一回りして見学。昭和レトロの家財道具では懐かしさがいっぱい。ストーブの前で、お茶を一杯いただき、ボランティアの人と話しました。また、「七福神ポストカード」をいただき、デザインは、佐倉在住のタレント、車 ダン吉さん。
資料館前を横断して狭い道の右側に宗圓寺〔寿老人〕。その向かいに嶺南寺〔弁財天〕がありま す。境内に、梅の巨木が横たわっています。
甚大寺 〔堀田家の菩提寺で天台宗の寺院。本尊は十一面観音像。そのほか不動明王、金比羅権現などを祀っている。七福神毘沙門天〕 (12:37)。奥に本殿。その扉に小さな窓があり、覗くと薄暗い中、観音像が安置されていました。 2人に案内しようと思った、裏手にある堀田家墓所(県指定史跡)を墓参するのを忘れてしまいました。
次に、松林寺〔佐倉藩主「土井利勝」により江戸時代に創建され た浄土宗の寺。佐倉七福神毘沙門天〕(12:47)に。境内の御神木は大きくて立派なのに比べ、本殿は粗末というアンバランス。
その後、地方裁判所、千葉地方検察庁(いずれも外観は小規模)を通って、数屋前を左折するも、道が違うことに気づき、引き返して、細い道を進んで、最後の七福神妙隆寺〔日 蓮宗の寺院で1471(文明3)年開創。大黒天〕へ(13:00)。参道が意外と長く、本殿前の樹木が景観を損ねていて少々、残念。
寺を出て、道を回るように行くと、急坂を上って、さくら苑デイサービスセンターの横を通って、旧堀 田邸〔国指定重要文化財。佐倉藩、最後の藩主 堀田正倫(まさとも)が移り住んだ邸宅で、現在、主屋や門番所、土蔵などの建物と庭園が残されている。主屋は木造平屋建て一部二階(非公開中)建てで、現存する明治期の旧大名の邸宅として貴重。建物は国の重要文化財。正倫は農業と教育の発展に寄与。 佐倉中(現 佐倉高校)に多額の寄付〕へ入館(13:22)。
なお、障害者手帳の提示で3人とも無料で見学できることに。玄関棟より入り、居間棟、座敷棟など、部屋の造りに工夫があり、七宝焼きの引き手は珍しい。和風造りで質素な雰囲気の中に、重厚な造りも。ビデオ上映で、堀田邸と藩主堀田正倫の足跡をたどることができました。往時の旧堀田邸は、農事試験場を含め約3万坪の敷地を有していたことに、3人とも驚きの表情。
さくら庭園は、隣のさくら厚生園の脇からも入れるようになっていて、12時 半過ぎに晴れて来た陽光に青空と広い芝生の中に邸宅が浮かび上がっていました。
受付の男性に御礼を言って、帰ろうとすると、清掃のおばさんが、中間スタンプの場所と、帰りのコースを親切に教えてくれました。
遠くからでも目立つ「印旛合同庁舎」(14:00)角を右折して鏑木交差点も直進 。途中に、老舗ラーメンチェーン店の「幸楽苑」を発見。ちょうど、小生が餃子無料券を3枚持っていたので、遅い昼食をすることに。生ビールで乾杯。
ここで、K氏から、前回ウォーク時、少々、メタボ気味のEさんへビックリプレゼント。上下のジャージで運動するようにという優しさ。小生も痛く感激しました。3月 の駅ハイ日程・場所も決まり、お腹もいっぱいになり、JR「佐倉」 駅入口の交差点を左折すると、朝歩いた彫刻通りに。〔ベンチの女性?ににやけるE氏〕。通りの反対側の彫刻を観ながら、15時ゴール。
先輩2人を改札口でお見送りして、小生は真っ赤な顔で、帰りのバスに乗り、「京成佐倉」駅へ。冬枯れの城下町佐倉を歩いて、数々の歴史に出会えました。来月は東京スカイツリーで元気に楽しい珍道中を、また繰り広げましょう。
待ちに待った「佐倉」ウォーク。やっと、胸のつかえも取れました。
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