9日(水)の小保方氏の記者会見は、テレビ中継でも、ニュースでも日本中が注目する中、2時間半を超えた。小保方氏が、まず記者会見に出られた勇気は大したものだったが、内容は自分が「未熟であった」という謝罪と反省点ばかりが強調されていて、期待していた明確な科学的根拠を示す発言は無く、小生には何一つ響いては来なかった。
理化学研究所(理研)の小保方氏の論文への調査委の最終報告が150日以内に出せばよいはずなのに、42日で公表され、一人の責任と断定したことは、拙速感が否めない。
会見では、氏の弁護士が、記者の発言から突っ込まれないように、発言数を制限したり、肝心なところは本人に話をさせずに代弁したり。
氏の研究熱心な姿勢は見えるものの、あまりにも論文の重要性、厳密性は理解されていない。それは、実験ノートの件でも同様。
STAP細胞の存在を証明できる資料や科学的根拠が示されれば、もっと視聴者も有識者も納得できたに違いない。
証拠が無いので、STAP細胞の存在もあやふやになって来たという感じ。
氏の共同研究者が、誰も同席せずに、本人だけが「STAP細胞はあります」「200回以上作製した」という強がりともいえる発言が印象に残った。逆に、200回も作製する意味があるのか?、なぜ共同研究者と一緒に実験、確認をしたと言えないのか?など、疑問が起きてしまう。
1月の「世紀の大発見」と沸いて、近い将来、医学をはじめ生化学などに、どれだけ大きな期待感・希望を与えたのに...。逆に、世界の人々や海外の科学者たちに、日本の学問、科学レベルの稚拙さを知らしめてしまった。
古い話になるが、連合赤軍の浅間山荘事件、オウム真理教事件など、ほんの一握りの人間が起こしたが、当時、世界の人々から奇異に感じられたことが印象に残っている。
今回も、理研と小保方氏、共同研究者とのこれまでの関係は、よくわからない。
今後は、論文の扱いや処分の行方も気になるが、何と言っても、STAP細胞の科学的存在の有無をきちんと調べてほしいと願うばかり。また、マスコミもすぐに飛びつくのではなく、裏づけを取ってから報道すべきだと。1月の新聞論評を読むと、報道の無責任さを痛感する。
「何事も真実は一つ」。今後、早急かつ決定的な実験結果・検証を待ちたいと思っているのは、ハトちゃんだけでは無いと思う。
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