6月6日(木)、駅ハイ期間限定コース「栃木〔小江戸〕(約10km)」に参加。
往復はJRで上野駅から宇都宮線小山駅乗換えで両毛線二つ目「栃木」駅へ。沿線からの車窓は、田園風景が続く...。川越、佐原と並び小江戸と呼ばれ、蔵の街並みが見所。
駅観光案内所を、10時10分の受付。当日参加者は10人ほど。いつもの駅ハイ専用マップとは違って、観光案内所のマップ。
本日は、くもりで爽やかな風が頬を撫でるウォーク日和。まず 、蔵の街大通り〔かつての荒物問屋の見世蔵と土蔵群からなっている〕を直進。県道31号線を横切り、巴波(うずま)川の関門橋を渡ります。大通りは、途中から道幅も広く、先まで見通しが利きます。室町郵便局前を右折。定願寺〔天台宗〕に続き、
満福寺〔真言宗・鎌倉時代の1262(弘長2)年、薗部村の太平山麓に創建された と言われ、天正年間、現在地に移る。赤・青・黒三体の「三鬼尊」は、我国でも珍しい鬼神像で、中央の青鬼は鎖につながれている〕へ(10:22)。福がいっぱい得られると言う意味があり、参拝者も多いと聞く。
次いで、赤い鳥居が見えて、神明宮〔1403(応永10)年、栃木城内神明宿( 現神田町)に創建されたと言われていて、1589(天正17)年、皆川広照により現在地へ移され、栃木町の総鎮守となる。また、栃木の地名は、神明宮の屋根ぐしの千木(ちぎ)から出たとも言われている〕が右手にあります(10:28)。社殿は伊勢皇大神宮に倣い、神明造りになっていました。
通りは石畳になっていて、あだち好古館〔浮世絵や錦絵をはじめとする、江戸情緒 を感じさせる貴重な美術品を多数陳列〕(10:31)。
角を右手に入ると近龍寺〔1421(応永28)年、良懐上人が、城内宿河原に創建したと言われる浄土宗の寺で、1588(天正16)年現在地に移され、中国の故事「鯉が三級の位になると龍になる」ということから「三級山天光院近龍寺」と名付けられた。
境内には子育安産、学業成就の呑龍堂や文豪山本有三の墓があります。寺社が並ぶ静かなたたずまい。
左折して大通りに出ると、小説「路傍の石」で有名な山本有三(栃木市出身)の生家(記念館隣り の床屋)横のふるさと記念館〔1997(平成9)年オープン〕に入館(10:35)。山本氏のおいたちや自筆の原稿、愛用品展示を見学。
大通りに出ると、旧商家・蔵の街並みが現われます。少し戻って、信号手前に蔵の街観光館〔現存 する明治期の典型的な見世蔵で浮世絵が飾られ、土産品・民芸品やパンフレットが置かれている観光拠点施設〕(10:40)。入館して、パンフレットをもらいながら、桐製のカラフルな草履に目が留まりました。
横断歩道を渡ると、目の前に敷地が広く、白い建物がとちぎ山車会館〔映像で山車3台で、祭りの 迫力が再現されている〕で、中間チェックのスタンプを押す(10:46)。
脇にある女体の彫像前に とちぎ蔵の街美術館〔約2百年前の土蔵3棟を改修し、 栃木市ゆかりの作家の作品を展示〕は、残念ながら休館日。
続いて右手に曲がって、蚤の市通りを進みます。裏道で車が少ない程度で、途中、道路脇の大きな建物が建設中で道は狭くなっていて、歩行者専用道路を進み、右折して先ほどの大通りに出て、左折。
一つ目の信号向こう側に蔵の街広場と交番が見えて来ます。
マップに沿って、左に曲がって間もなく、日光例幣使街道〔1617年、徳川家康が日光山に改葬さ れ、毎年、朝廷から東照宮に例幣使と呼ばれる勅使がつかわされた道。嘉右衛門町重要伝統的建造物群保存地区の案内板。見世蔵などが立ち並び、今でも営業している店もあり〕へ(10:56)。
古風な町並みが小京都の風情を、現代でも感じさせてくれて、観光客の姿も見かけます。
途中に、蔵の街墨絵処〔水墨画や撮り鉄(鉄道写真)の展示;入館無料〕そして、代官屋敷岡田記 念館〔岡田家は550年以上の歴史を持つ旧家で、畠山氏の陣屋。4千坪にも及ぶ広大な敷地に土蔵があり、岡田 家の宝物を展示〕へ(11:02)。
ゆっくりと街並みを眺めながら、県道32号線手前には、商家で長い板塀、暖簾や煙突・工場など、趣きのある老舗「油田味噌」店もありました(11:14)。
県道32号線に出て、同じ街道を戻ることにしました。反対から歩くのも乙な感じです。なお、一本先の道を覗くと、新しく造成して、モデルハウスの幟が見えて、新旧建物が、近くに混在している様子が...。
日光例幣使街道の石碑が立っている出入口の道を渡り、栃木病院前へ。横の細い道に入ると、モスグリーンで洋風の栃木病院〔1913(大正2)年に建てられた建物で、木 造2階建て、屋根は単純化しないように複雑に入り組んでいて、形式も寄棟、切妻、入母屋と使い分けている。外壁は1階部分が下見板張りで2階部分はハーフティンバー形式を採用して柱など構造材が表面に現れている。玄関は外壁面より内側に配置され上部がバルコニーが配され奥行きがあり立体的な構成に。当時の洋風建築の特徴を残すものとして平成10年に国登録有形文化財に指定〕の外観を見学(11:25)。
続いて、県立栃木高校でも、国登録有形文化財の講堂(旧栃木県立栃木中学校講堂) - 1910 (明治43)年竣工と記念図書館(旧栃木県立栃木中学校記念図書館) 1914年(大正3)年竣工、記念館(旧栃木県尋常中学校栃木分校本館) 1896年(明治29)年竣工 を門外から見学(11:29)。
続いて、栃木県議会発祥の地記念碑のある栃木市市役所別館(国登録有形文化財)へ(11:33)。その前が県庁堀で明治16年まで栃木県庁の所 在地 でしたが、県庁が宇都宮に移転したため、現在は敷地に巡らされた堀だけが残存。澄んだ水に、鯉、錦鯉が泳いでいて、家族連れが餌をあげている風景も...。
左折して、巴波川の橋元にも鯉たちが群れて泳いでいました。川沿いの風景は佐 原に似ています。巴波川綱手道を進むと、柳の木が風情を醸し出していて、手前に見世蔵のある、横山郷土館〔店舗の半分で麻問屋、半分で銀行を営んでいた明治の豪商で、建物は両袖切妻造で、当時の帳場などを再現〕へ(11:42)。舟荷揚場跡あり。ちょうど、アジサイの花も咲き始めていました。 観光している団体客に遭遇。幸来橋傍には、江戸時代後期の舟運で木材回漕問屋の 豪商塚田家の舟発着所、黒塀と白壁土蔵の圧倒的な景観の塚田歴史伝説館が見えます(11:47)。
蔵の街遊覧船発着所前で、先ほどの団体客とガイドが船でちょうど遊覧すると ころ。乗船料は一般500円、団体400円と意外と安い。船頭さんの案内するかけ声が聞こえます(11:49)。
しばし、乗船風景を眺めながらうずま公園手前の巴波川橋を左折し渡って、みつわ通りへと。
途中、右手に玉川の湯(金魚の湯)横を通過(11:53)。入口に短歌の石碑がある大きな銭湯 で、入湯料300円と安かったのですが、本日はゆっくりめのスピードだったので汗もかかないので、パス。洋風の片岡寫真館も趣きがあります。
川にかかる相生橋を渡ると、歌麿通り〔喜多川 歌麿の栃木 滞在から名づけられたとか〕へ。通りの両脇上部には、小さな鯉のぼりの飾りが...。商店街は寂れていましたが、花魁の化粧をしたイベント開催時の写真が飾られていたので、ちょっと拝見。
そうこうしているうちに、県道31号線に出て右折し、角にセブンイレブンが。昼食のおにぎりがセールで100円均一だったので、購入。
左折して、駅前の大通りへと。JRと東武線の駅が隣接する栃木駅北口前へ。左手に、赤いオブジェが目を惹きます。
観光案内所で、山車会館で押印したマップを見せてゴール(12:10)。
12時42分発の両毛線下りに十分間に合って、「ぶらりのんびりと歴史との出会いウォーク」を満喫し、帰路に着きました。千葉からはかなり遠いのですが、次回も訪れてみたい街並みで、「故きをたずねて新しきを知る」印象に残る一日でした。
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