久しぶりの美術館めぐり(パート31)

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猛暑が一段落して、朝夕涼しくなって来た8月27日(水)、久しぶりに親友のさんと六本木の美術館めぐりに出かけました。天候は曇り。

11時に東京メトロ千代田線「乃木坂駅」6番出口で待ち合わせ。さんは、相変わらず飄々とした感じで、5歳下なのに、年齢より若く見えます。

ちょうど2年前の8月11日に上野の森で美術鑑賞して以来。中でも東京都美術館で開催された「マウリッツハイス美術館展」では、光の画家といわれるフェルメールの有名な「真珠の耳飾りの女」の作品が意外にも小さかったのと、レンブラント「自画像」の絵のすばらしさが印象に残った記憶があります。

 

今回も早速、一番の目玉である新美術館 http://www.nact.jp/ へ。地下鉄改札口から美術館出入口へ直結していて便利です。

 「オルセー美術館展」が開催されていて、平日だというのに多くの入場者 f0316421_21384278[1].jpgでいっぱい。ハトちゃんが障害者手帳を持っていたので、並ばずに受付へ。待たずに入館できました。

館内は、結構、混んでいましたが、オルセー美術館の代表する至高の名画84点を展示。印象派が誕生した19世紀後半のフランス美術を一望できます。

19世紀頃のヨーロッパでは肖像画を描くことが一つのステイタスであり、対象を正確に描写することが重要で、顔だけではなく、服装や背景の調度品なども、対象人物の地位を表し、そのため、正確に描く写実主義が主流。当時のアカディミズム(美術学校)には全く受け入れられずに酷評され、落選。モネなど印象派と呼ばれる画家たちが、1874年4月15日、パリでの第1回印象派展の開催。絵画の特徴は、光の動き、変化の質感をいかに絵画で自由に表現するかに重きを置いていて、それまでの絵画と比べて絵全体が明るく、色彩に富んでいます。荒々しい筆致が多く、絵画中に明確な線が見られないことも大きな特徴。また、絵の具の進歩などにより、アトリエから屋外に出かけて絵を描くことも多くなりました。

 

今回の展示は「1章 マネ、新しい絵画」「2章 レアリスムの諸相」「3章 歴史画」「4章 裸体」「5章 印象派の風景 田園にて/水辺にて」「6章 静物」「7章 肖像」「8章 近代生活」「9章 円熟期のマネ」での構成。巨匠たちの代表作が、良くもこんなに揃ったものだと思えるほどの豪華な内容。

 

入口近くに、今回のポスターの表紙にも載っているマネの有名な「笛を吹く少年」が飾ってありました。その前で人の流れが止まっています。思っていた以上にサイズが160.5×97cmと大きい作品で、細かく観ると、ズボンの皺が少なく、足の線が平坦で、立体感が不足していますが、赤と黒のコントラストと、少年の顔の表情のかわいらしさが目を惹きます。

われわれは別々に作品を鑑賞。とくに武蔵野美術大出身で、最近、自分で絵を描いて個展「ローマンカラー  ペトロの家の神父たち 矢崎 秀郎展」(カトリック東京大司教カテドラル構内 スペースセントポール;ブログ http://shabero.blogspot.jp/2014/08/blog-post_57.html 参照)を開催中のY さんは、ゆっくりと鑑賞。

どの作品もすばらしいのですが「2章 レアリスムの諸相」では、ミレーの「晩鐘」は、田園風景をセピア色の濃淡と人物の構図のバランスが絶妙で、惹き付けられました。カイユポットの「床に鉋をかける人々」では、男の長い手に違和感を感じつつ、題材の斬新さ、自由さにビックリ。

また、「第4章 裸体」では、アカデミズムブグローダンテとウェルギリウス」の写実的で迫力ある大きな絵画と、カパネルの「ヴィーナスの誕生」。ヴィーナスが波の上に横たわって、5人の天使がラッパを吹いたり舞ったりして、いかにも玄人受けするタッチに対し、ルノワール横たわる裸婦」やセザンヌ牧歌」などは、ひいき目に見ても繊細とは言えません。配色や構図のバランスもいまいちですが、ひと目で画家の描きたいタッチの特徴が出ています。「5章 印象派の風景田園風景での別の作品でも同じような感覚を受けます。

「8章 近代生活」では、何といってもモネの最大傑作「草上の昼食」。左(418×150cm)右(249×218)の大きさが違っていて、当初、何事かと目を疑います。説明を読んで納得。貧乏なモネが家賃滞納で大家に売って、後で買い戻した時、右側の部分が損傷して、変則な大きさになってしまったとのこと。何とももったいない話です。それにしても巨大なカンバスに描いたものです。

「9章 円熟期のマネ」では、最晩年に描いた「ロシュフォールの逃亡」が、舟に乗っている印象派の画家たちと自分の運命を、全体の大部分を海に当てて、上部に船と思われる希望に向かって一生懸命に櫓を漕ぐ人々を、自分の重い病気と重ね合わせて描いている作品。最後に、生への執念、絵を描き続けたいという執念すら感じました。ハトちゃんは、この作品を鑑賞できて、来た甲斐がありました。

 

ゆっくり1時間以上をかけて鑑賞。二人とも満足感に溢れる美術作品展でした。

 

美術館を出ると、正午をまわっていたので、ミッドタウン前のラーメン屋さんに入りました。ちょうど、お昼時で、サラリーマンが多数。相席でしたが、店の名前がついていた特製塩ラーメンを同じく注文。これが、とってもおいしくて、入店して正解。

 

その後、ミッドタウンガーデンを散歩。園内は広々とした芝生に、親水公園ふうに、水が流れていて、 左側にシャレた喫茶店があり、右側に本日2館目の21 21デザインサイトhttp://www.2121designsight.jp/

DSC08779.JPGDSC08782.JPGDSC08769.JPG小生が勧めて入館。館内の作品は、珍しく写真撮影が許可されていました。館内では「イメージメーカー展」を開催。

 

 

国内外で活躍する「イメージメーカー」DSC08778.JPGDSC08775.JPGちによる幻想的でDSC08772.JPG斬新な作品(写真、版画、 ビデオインスレーション、動く彫刻など)が、多数並んでいました。あっと驚く作品や多様性に富む表現力・創造に、先ほどの「オルセー展」の巨匠の歴史を感じる作品後だけに、現代に引き戻されて、表現の自由・多様性をグッと感じて、一覧しました。

その後、ガーデンを歩いて行くと、広場にゴジラの上半身の巨大模型が展示されていて、SF好きな二人はラッキーと。建物をバックに撮った写真は映画のシーンそ DSC08788.JPG DSC08784.JPG っくり。口の中には、火を吐く代わりのライトが付いていました。

 

その後、ミッドタウン建物内へ。

最後の3館目はミッドタウン3階のサントリー美術館 http://www.suntory.co.jp/sma/ に入館。「ボヘミアングラス 耀きの静と動」展を開催中。

bbe0efee042d325e21d8bed2c975fdeb[1].jpgチェコのボヘミアン・グラスの変遷を15世紀~現代にいたるプラハ国立美術工芸博物館所蔵170件で紹介。ゴブレットや花瓶、グラスなど、初期のガラス時の比較的シンプルな作品から、クリスタルの光耀く美しいガラス(17世紀後半)によって、美を追求する技術の向上などで複雑かつ模様などの様々な工夫が進んで、さらに多種の絵付けや形状の奇抜さ、多種類の用途品が増えて、「ガラス彫刻」と言われるまでになる軌跡が、順を追って体験できました。

出口のガラス・グラス作品の販売金額を見ると、かなり高いのに、妙に納得。

小生が「サントリーだけに、グラス展を開催して、すばらしい器でお酒の販売量を増やすのに、一石二鳥だね」と。(笑)DSC08790.JPG

 

最後に、ミッドタウン1階外の「スターパックス珈琲」で、ゆっくりと四方山話。お 互いに年を感じつつ特に健康についてと、本日の美術館の感想と成果。

 

次回の美術館・博物館めぐりを期待して帰路に着きました。

 

 

 

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このページは、hatochanが2014年9月 1日 23:13に書いたブログ記事です。

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