2009年8月アーカイブ

8/8(土)、夏とはいっても、それほど今年は暑くないのですが、どんよりと曇った空の下、
久しぶりに妻の運転で、東関東高速道で千葉・佐倉に行きました。
ETC装置の生産が間に合わず、遅れましたがやっと、ETC装置を取り付けて、
初めての週末割引を利用しました。
 
千葉・佐倉は、妻の実家のある、小見川に行く途中で、子どもが小さい頃、「佐倉・草ぶえの丘 」
(ふれあい動物園、キャンプ場、陶芸教室などの複合体験施設)に連れて行って、
SL列車に乗って遊んだことを思い出しました。
 
それ以来で、またまた、友人からいただいた招待券を持って、
とても広くて"桜"の名所でもある、佐倉城址公園(桜が有名なので、サクラ?何チャって!)内の
国立歴史民俗博物館」(愛称、歴博)へ入館しました。
 
概観は、白色のモダン的な建物で周りが木々に囲まれていて、
とても自然とマッチしている博物館です。
 
8/5(水)の朝日新聞夕刊の「水曜アート」欄に掲載されていた「百鬼夜行図」が観たくなったので
本日、急に出かけた次第です。
 
館内は、時代順に、原始・古代から近代に至るまでの歴史と日本人の民俗世界をテーマに、
実物資料、精密な複製品、そして京や町の復元模型が(他の博物館より多く)、詳しい説明から当時の様子が目に見えるように理解できます。
 
中に、「古活字版」のコーナーもあり、長年、印刷の仕事に携わってきた私は、しばし足を止め、
「板木」から始まった印刷文化が、今ではパソコンでも印刷ができるようになるとは、
本当に技術の進歩は大変なものです。
 
江戸時代のブースで、ちょうど11時からの「百鬼夜行の世界」展では、
http://www.rekihaku.ac.jp/events/regular/room_03.html#miniの館内ガイドに間に合い、当館の
学芸員の説明と、十数点の「百鬼夜行図・絵巻」の誕生や作品の系譜を30分ほど聞きました。
「怪異・妖怪に関する文化」はアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」にも通ずるものがあり、近年、注目を
浴びているそうです。『なぜ、このようなものが江戸時代に描かれたのか』、妖怪文化の研究は、
まだまだ続きそうです。
 
次に、訪れたのは、入場券の表紙を飾っている「日本建築は特異なのか−東アジアの宮殿・寺院・
住宅−
」特別展。日本の建築文化が日本固有の独自のものか、ということを、とりあげ、中国や韓国の建築物とよく似た部分があって、そこから、日本独自の建築を考えてみようという試みです。
 
3月に、姪の結婚式で韓国に行って来たのですが、神社・寺院や住宅の屋根の部分は、
造りや塗りの色合いが似てるものがあって、文化の伝播もうかがい知れます。
日中韓の文化の交流があり、それと比較して、日本建築が何が独自なのか、そして東アジア建築の
共通性、普遍性の一端が、少しわかってきたような気がしました。
 
二人で、回りくたびれて、11時30分過ぎに退館して、10分ほど歩いて、同館の「くらしの植物園
へ。「伝統の朝顔」展をやっていて、色とりどりの珍種の朝顔を
妻に「こちらを先に来て観れば良かったのに」と言われる始末。帰りは、駐車場までの本館への道も、
高校生に聞いたとおりに行くと、階段と坂道を通れば3分余り。
「人に聞くことは大事で、得することもありますネ!」。
 
駐車場には、すぐにたどりついて、行きの遠回りを妻が悔しがったこと。
そんなこんなで、満足した休日になりました。二人で出かけるのも、久しぶりでした。
 
また、サクラが咲く頃に、近いのでお弁当でも持って、ゆっくり来られればいいな! と、
思い浮かべたのは自分ひとりかも?
6月27日、今月最終の土曜日、約3ヵ月ぶりとなる
美術館めぐりに親友のY氏と、暑さの中、堪能して来ました。

腰痛の影響もあり、久しぶりとなってしまいましたが、JR「錦糸町」駅から
地下鉄(現在は正しくは東京メトロです)に乗って、「清澄白河」駅で下車。
痛い左足を引きずりながら、それは、映画「ターミネーター1」のマシンが
足を引きずるシーンに似ていて、ちょっと恥ずかしい気持ちでしたがY氏と待ち合わせた
東京都現代美術館」の集合時間に遅れてはいけないと思い、早足で急ぎました。
案の定、Y氏より早めに着いた私は、汗びっしょり。
図々しくも、受付の女の子に愛想を振りまき、館内に入れてもらい、冷房でほっと一息。
入場者の視線を感じつつ、ベンチでゴロリ。

そうこうしているうちに、友と会えて、身体の心配を受けたあと、待ちに待った美術館に入館。
若手作家の作品を観たかったので、間に合ってよかった。
明日までの開催の「トーキョーワンダーウォール公募2009入選作品展」をじっくり鑑賞しました。

ここの展示場は、今まで観に行った展示場では、作品の飾り方がゆったりしていて、
とにかく展示場が広いんです。

若手作家の新鮮な感覚と創造力、力強さと繊細さ、配色の妙に感動し
日常生活では味わえない、一服の清涼剤を飲んだようで、野外の暑さもぶっ飛んでしまいました。

この美術館は、1995年3月に開館されたので、内装がとてもきれいです。
初めて行ったのですが、展示数は劣るものの、上野の美術館にも匹敵する
感動を与えてくれました。入場料も上野と比較すると格安です。
無理して来て、本当に良かったと思いました。
シンボルである「ジャイアントトらやん」や、常設展も現代美術の流れがわかり
一般の人でも、十分に楽しめる内容になっています。いくつかの美術館を
鑑賞できて、年間楽しめる会員も募集して、現代美術の振興を図っているそうです。

昼食は、東京メトロ「清澄白河」方面に戻り、中華料理の「バーミヤン」で
安価のランチおよびドリンクバーで、休憩。土曜なので店内はいっぱいでした。
待ち人を気にしつつも、話に花が咲き、一時間もいてしまいました。
待っていた人、ごめんなさい!

次に訪れたのは、Y氏が行ってみたいと言った、「江東区深川江戸資料館」。
「東京都現代美術館」からも徒歩8分あまり。

ここは、公民館のような建物の感じでしたが、
中に入ってみると、展示物や説明資料は、それほどでもありませんが、
二人が感動したのは、江戸時代の街並みを復元してよく時代劇に出て来る庶民の町、
「火の見櫓」「土蔵」「長屋」「八百屋」「船宿」など、が当時の情景を忠実に再現されていて、
何か江戸時代に戻ったような風情に触れた感じで、大満足でした。

また、照明を使って、朝方、日中、夕方と雰囲気を変えている点も
資料館の工夫が見え、趣きがそれぞれあります。
電気もガスもテレビもない時代で、今以上に日光や月光は貴重でしたね。
娯楽も限られていて、現代のパソコンなんぞは、タイムスリップして来たら、
当時の人は信じられないでしょうに...

090629.jpg

最後に、都庭園第1号に指定された「清澄庭園」でしばし散歩。
私は30年前、まだ独身の頃、「東京街歩きガイドブック」で88のコースを
完歩した時以来でしたが、池の周りの回遊式庭園というイメージはそのままで、
池には50cmクラスの大きな鯉や錦鯉が口を開けてえさを求めて、寄って来て、
亀もたくさん生息していました。鯉が人間のようにしゃべれれば、
いろいろと聞きたかったのに......。残念。

庭園の情景は、昔と、ほとんど変わっていないのにビックリ。
月日が経っていないのか、と一瞬、錯覚しそうでしたが、自分の手の甲の皺を見て、
年月の流れと、あまり成長していない自分と、老いの現実を改めて見つけた次第です。
これからも、目的意識を持って、それに近づける日々を過ごさないとダメですね。

このコースは、美術館めぐりとしては、物足りませんが、家族連れやちょっとした
気分転換にはお薦めです。緑も多くて、目の保養にもなります。

久しぶりに、腰痛も忘れて充実した週末でした。

家に着いて、万歩計を見ると、12,000歩を指していました。Yさん、お疲れ様でした。

3/28(土)、大学の事務職員としての仕事の最終日。実は来週の30、31日は、最後の
有給休暇をもらい、今日が出勤最終日でした。年度末ということもあり、退職者からの書類
の電話での問い合わせもありましたが、私以外は、皆さん、お休みになっていて、最終日は
一人だけの出勤になりました。ちょっと、寂しい気持ちにはなりましたが...。
 
前日までに、引継ぎ業務も済んでいましたので、自分の机やパソコンの周りを清掃して、
長年、お世話になった事務所に一礼をして、事務所をあとにしました。
 
H大学図書館からいただいた招待券で、事務所から徒歩10分ぐらいの「山種美術館」の
「桜さくらサクラ・2009」展に、まず足をはこびました。
 
今年10月に広尾に移転するということで、今回の「桜さくらサクラ展」が最後になると聞いていたので、
何でもこれまでにリクエストの多かった作品を約50点展示したそうです。
とくに、渡辺省亭「桜に雀」と加山又造「夜桜」という作品は、桜の華麗さと、はかなさを感じさせる
すばらしい絵画でした。他にも川合玉堂や横山大観、そして奥村土牛の作品もそれぞれに
味わいがありました。
 
やはり、日本人には、"桜"が魅了してやまない花木で、これからも愛されると思います。
本物のさくらも咲くと見事ですが、絵画で多彩に描いた"桜"も咲き競っていて、満喫できました。
 
九段下の「山種美術館」をあとにして、次に東京メトロと東急線に乗って、世田谷・上野毛にある
五島美術館」に行きました。新聞にも記事が掲載され、
3月29日が展示の最終日になっている「筆の美」展覧会を観ました。
 
広島県熊野町の「筆の里工房」が所蔵する、明治生まれの書家・木村陽山のコレクションを中心に、
文字、絵画、化粧など用途が異なる筆と関連品363点が展示されていました。
 
持ち手の筆管が象牙や漆で、彫刻や螺鈿細工など贅を尽くした品や、草を筆にした「筆草」、
また、入口近くには、1メートルもある「大筆」もありました。
 
しかし、何といっても私が気に入ったのは、「唐物象牙彫宝塔形筆」の細かい彫刻の見事さと、
「平戸七宝花唐草文筆」のカラフルな筆の美でした。
 
これまで、書道は好きでしたが、こんなに筆の種類があることは、知りませんでした。
ここにある筆で書いた文字は、どんな感じになるのか、興味津々でした。
 
「書道の道具だ」とばかり思っていた"筆"を、こんなに貴重な品でよくも集めたものだと、
あらためて感心しました。
 
美術館の中には、広い庭園もあります。都会の喧騒から逃れて、世田谷の閑静な住宅街に、
広い敷地の、この美術館は、現役最後の勤務のあとの"美術館めぐり"にふさわしいものとなりました。
 
退職後は、また、のんびりと"美術館めぐりしてぶらぶら歩き続けたい"、
そんな気持ちで一区切りをつけました。 
大学の事務職員としての仕事も、残すところあと2日。3月27日(金)の午後には、
「定年退職慰労会」があり、私も総長(理事長)から、感謝状と記念品をいただき、
長いこと、勤められたことで、満足感に浸っていました。
 
学生時代も入れると、37年間(勤務年数33年)。振り返ってみると、月日のたつのは
本当に「光陰矢の如し」という感じです。これまでの勤務経緯を考えると、いろいろなことが
思い出されますが、何とか、多くの方の支えで無事に定年を迎えられたことに、
感謝している次第です。
 
乾杯のビールを飲んだ後、ちょっと赤ら顔で恥ずかしかったのですが、各職場を回り、
お別れと御礼の挨拶をした後、最後に自分の職場でも挨拶をして、帰りの、17時過ぎに
定期券の期限があるうちにと、寄り道をしました。小学生の頃、一度だけ行ったことのある、
上野公園の「国立科学博物館
の「大恐竜展 知られざる南半球の支配者」を観に行きました。
 
「ティラノサウルス」のような大スターはいなかったのですが、一つ一つが独特で、世界
初公開の「マプサウルス」(大型肉食恐竜)の成体と幼体の大きさと迫力に、
圧倒されました。恐竜は、推定、約2億3千年前に登場しますが、約1億7千年前に
北のローラシア大陸と南のゴンドワナ大陸に分裂して、本展の恐竜たちは、かつて
ゴンドワナ大陸だった南米、アフリカ、南極、インド、マダガスカルなどで発見されたもの。
 
他にも、草食恐竜や翼竜、恐竜の卵の化石なども展示されていて、ここまで発掘して、
復元した方々の、仕事への研究・探究心と、発掘の仕事の重要性を痛感しました。
 
「恐竜」が現在でも生きていたらと考えると、怖くなりますが、
映画「ジュラシック・パーク」がヒットしたように、「恐竜」には夢とロマンがあります。
 
現在も、幕張メッセで「恐竜 2009−砂漠の奇跡!
が開催されているように、夏休みを利用しての家族連れの参観者も多いと予想されます。
 
私は、チャリンコでも15分ほどで行けるので、ぜひ、観に行ってこようと思っています。
 
「恐竜展」を観た後は、「地球館―地球生命史と人類」(B3F〜3F)「日本館―日本列島の
自然と私たち」(1F〜3F)の常設展示で貴重な展示物を観ました。
 
また、「日本館(1F)」で「琉球の植物展」で琉球諸島に生きる、珍しい種類の植物を観賞しました。
 
さらに、「日本館(B1F)」の「シアター360」で、360度全方位に映像が映し出され、自分の
足元下にも景色が映し出されて独特の浮遊感が味わえました。
 
「国立科学博物館」は、金曜日、午後8時まで(入館は30分前)開館していますので、
勤め帰りにも、寄り道ができ、十分に鑑賞できますので利用してみてはいかがですか!
 
館を出たのは、閉館前で、外は雨がしとしと降って来て、傘を持って無かったのですが、
JR「上野駅」まで早足で向かい、山手線に乗りました。
 
今夜は、"生物や地球の歴史"をあらためて見直す、良い機会になりました。
 
荒れた天気も、午後にはすっかり上がり、暑くなった一日となりました。
 
春分の日の3月20日(金)に、Yさんと2度目となる、美術館めぐりのデートをしました。
場所は、お台場で、小生はお台場にはこれまで一度も行ったことがなく、テレビなどで
東京の新名所で、アベック連れも多いとか―そんな中、二人のYK珍道中と相成りました。
 
まず、初の"新交通ゆりかもめ"に乗車し、10時に「船の科学館」駅で待ち合わせ。
5分ほど歩いて「日本科学未来館」へ。
ちょうど、日曜日で10時開館ということもあり、子供連れの入館者が多く、入り口で多くの人が
並んでいて、活気に満ち溢れていました。われわれは、私の障害者手帳持参ということもあり、
その横をとおって並ばずに、すんなりと入館できました。
 
はじめに目に入ったのが、二人とも大好きな「ターミネーター」特別展、
映画ではアーノルド・シュワルツェネッガー主演のシリーズは、大成功をおさめ、
一躍、未来のロボットと人間との死闘、共存、愛情などを感じさせる作品の、
実物大の模型や映像が展示されていて、じっくりと感動に浸っていました。
この6月にも「ターミネーター4」が上映されるそうです。また、歴史設定と脚本を変えて、
テレビシリーズでもDVDが見れるそうです。
「ターミネーター」シリーズは、何回も観ている大ファンなので、二人とも興奮しました。

terminator_07.jpg"シュワちゃんの迫力"ある演技がもう観られないのは残念ですが、
キャラやストーリーは色褪せていません。
 
「ターミネーター」の話だけでも、かなりのお話になるので、今回は割愛させていただきます。
 
常設展では、宇宙、地球、人間という大きな視野に科学技術を捉えて、さまざまな作品や写真、
そして実体験ができ、あらためて科学技術の進歩、発展のすばらしさを実感しました。

 
少し、予備知識をもって観ると、さらに盛り上がります。
中でも「カミオカンデ」「アシモ君(人工ロボット)」には、とても興味が持て、しばし足を止めて、
学芸員の説明に聞き入ってしまいました。
科学の進歩と人類の可能性を感じ、現実の社会・経済に辟易している私には、一服の清涼剤でした。
 
続いて訪れたのが、建物が船の形をした「船の科学館」。
島国日本の交通に、飛行機の前は、なくてはならなかった"船"の変遷と、経済的、文化的に重要な
役割を担っている、海と船の文化をテーマにたくさんの模型が展示されていました。
大型スクリュープロペラ、戦艦大和の主砲(実物大)、引退した青函連絡船「羊蹄丸」、
南極船「宗谷」も外部で公開されています。

 今でこそ、スピードで飛行機の時代ですが、船の大きな役割も見逃せません。
 
美術館めぐりで、お腹が減ってきたので、少し歩いて、
Yさんお勧めの「アクアシティお台場」5階にある「ラーメン国技館」に行って見ました。
そこは、全国の超一流のご当地「ラーメン」の店が6店選抜されて店を構えて、
その味にしのぎを削っていました。お客さんは、どの店も順番待ちの長蛇の列でした。
本当に"食の勝負"なんですね!
われわれは、その中の、博多のとんこつ風味のラーメンを注文して、おいしくいただきました。
 
昼食を食べて、満足し、道路を隔てて、球体が目立って高くそびえている「フジテレビ」の建物に、
ミーハー気分で入りました。スタジオが覗けるということで、期待して行きましたが、
ほとんど、人垣と、遠くて見えず、ただ、人の波についていくという感じで、ただ、番組の紹介と、
販売グッズが目立つ程度で、ほとんど得るものはなく、フジテレビを見た、という程度でした。
 
それよりも、Yさんが「どうしても行ってみたい」と言って、案内された、「昭和時代の商店街」を
復元した一角は、同年代ということもあり、大いに盛り上がり、そこで喫茶して、町並み、レトロの商品や家具、写真やポスターを非常に懐かしく感じ、語りあいました。
 
台場一丁目商店街
〒135-0091 東京都港区台場1-6-1
デックス東京ビーチ シーサイドモール 4F
Tel:03-3599-6500(大代表)
昭和30年代の下町へタイムトリップ!レトロゲーム、プリントシール機、お化け屋敷などもあり、
昔の子供も今の子供も楽しめる新旧融合のレトロ空間。

最後に、汗をかきかき、お台場公園まで歩き、東京湾、レインボー・ブリッジを一望できる海岸に
立ち、行き交うさまざまな形の船と、以前よりきれいになった東京湾の海水を見て、
楽しい一日となりました。

お台場に来たのが初めてだったこともあり、テンションはあがりっぱなしでした。
 

3年ぶりの大学入試監督業務も、無事にすべて終わり、仕事の方はほっとしているところです。

さて、今週も3月5日(木)に勤務したあと、あわてて東京メトロに乗り、
何年かぶりに池袋にやって来ました。

この3月で閉店となる、池袋三越の7階催物会場で開催されていた、「片岡鶴太郎展'09」を、
職場の友人からいただいた招待券で観覧いたしました。

"鶴ちゃん"の愛称で、お笑い芸人として出発したタレントですが、サスペンスドラマの刑事役を
はじめ、役者での大いなる活躍も目を見張りますが、画家として書画や陶芸、染色もすばらしい、
マルチな才能を発揮している鶴太郎氏の作品をぜひ観たいと思って、
胸に期待をこめて入館しました。

案の定、その作品のタッチは、武者小路実篤が描いた「静物」の色あいと似ており、
動物(たとえば、子猫)や魚、花など、自然さの中に自己の感性をうまく表現していました。
絵筆でなく、書道の毛筆を使って、独特の味わいを出しています。
ひとことで言って、「才気あふれる筆遣いと美しい色彩--」というイメージでした。

鶴太郎氏の『虹鯉』『華鯉』をモチーフにした、オリジナルの鯉のぼりも販売していました。

何でも「日々の出逢いを絵に描くことは、裸身をさらすような告白です」という精神で、
絵を描きはじめると、もう夢中で、"絵を心で描くもの"と位置づけ、その喜びを伝えていきたい、
と思っているとのこと。

初めて知ったことですが、「草津片岡鶴太郎美術館」と「福島片岡鶴太郎美術庭園」
も常時開館・開園されているそうです。機会があれば、入って見たいですね。

 約40分ほど、美術鑑賞をして、大満足して帰路に着きました。
2/28(土)午前10時に、JR上野駅の公園口でYさんと待ち合わせて、多くの美術館や動物園のある
"上野の森"を、天気にも恵まれて、ぶらぶらと二人で散策しました。
 
この頃、ずーと"美術館めぐり"をしているので、とても充実した日々が過ごせていましたが、
いつも一人で歩いたので、二人で観る楽しさが、今回はできるので、とても楽しみにしていました。
 
まず、向かったのが、「東京国立博物館」。
広い敷地に、たくさんの絵画や彫刻が展示されていて、ゆっくり鑑賞すると、半日かかってしまうかも
知れないというほど、多くの美術品が並んでいます。
 
最初に、表慶館の「未来をひらく福沢諭吉展」に足を運びました。
Y氏は、私の職場がH大学ということもあり、「入るのは、どうしますか」と言ってくれましたが、
私は「関係ないですよ。参考になるのと、興味があるので入りましょう」と言って、二人で館内に入り、
慶応義塾創立者で150年になる福沢諭吉の足跡を目の当たりにして、
近代日本の思想家の精神を大いに感じた次第です。
 
福沢諭吉といえば、「一万円札の肖像」や『学問のすすめ』『文明論之概略』の著者としても有名ですが、その先導的な思想にもとづく遺品、書簡、自筆草稿なども多数出展されていて、明治時代の知識人で無位無冠の一市民を貫いた生き方は見習うことができます。
 
次に、平成館では、開山無相大師650年遠諱記念 「妙心寺」特別展が開催されてていて、
妙心寺に伝わる墨蹟・唐物・唐絵、そして室町〜江戸時代にいたる華麗な屏風や襖絵、
禅文化の貴重な重要文化財、国宝などが紹介されていて、国宝「瓢鮎図(部分)」如拙筆は、
とても貴重なものでした。
「達磨像」の書画もよかったのですが、ポスターにあった、「龍虎図屏風」狩野山楽筆(2月8日まで)は、残念ながら、観られませんでした。

 平成館から続いている本館の中をひととおり観て、一番目の東京国立博物館を出ました。
 
歩道に沿って歩いていたとき、「黒田記念堂」が見えました。
建物を見ていると、堂の受付の方が、「今日は入館できます」とのこと。
公開日は木・土曜で、二人は全然知らなかったので、寄ることにしました。「ちょー、ラッキーでした」。
黒田清輝の有名な「湖畔」や、女体の美を描いた「智・感・情」などの作品を観て、感動しました。
淡い色を基調にして、繊細なタッチで描く絵画は、西洋絵画の影響を受けながら、
観ている者に、暖かさを与えてくれる感じがしました。
 
 次に、まだ一度も訪れたことの無い「東京都美術館」にYさんに案内されて、
「生活と芸術―アーツ&クラフツ展(ウィリアム・モリスから現代まで)」を観ました。
 
生活の中の芸術という感じで、家具や壁紙、スプーン、服飾、グラヒック、民芸品が、
様々な装飾や工夫を凝らして展示されていました。かなりの入館者で賑わっていました。
現在の大量生産からは、絶対、生み出せないような、素朴さや伝統美のデザインが、
当時の生活の中に見出され、輝いていたことが想像されます。
 
ここで、くたびれたので、館内で「ティー・タイム」。しばし、雑談に花が咲きました。
 
一息入れたあと、本日、最後の美術館めぐりの「国立西洋美術館」へ。
 
中に入ると、館内は異様な雰囲気と、熱気。それもそのはず、本日から6月14日までの「ルーヴル美術館展」が開催された初日にぶつかったのです。
 
今回は、時代で区切らず、3つの大きなテーマで構成されていて、「「黄金の世紀」とその陰の領域」、「旅行と「科学革命」」、「「聖人の世紀」、古代の継承者?」で分類されていて、宮廷的な世界と貧しい農民の姿、宗教改革以後のキリスト教社会の宗教画などが、レンブラント、フェルメール、ルーべンスをはじめとする代表画家の作品が威風堂々という感じで、並んでいました。人物像など、余りにもリアリティーあふれる作品で、写真と見間違えるほどの緻密な作品と、色彩の濃淡の使い方は、"本日のトリ"にふさわしい内容でした。
 
とくに、人だかりの多かった、フェルメールの「レースを編む少女」は、もっと、額の大きな作品を想像していたのに、他の作品に比べて、意外なほど小さな作品であるにもかかわらず、圧倒感があり、値段がつかないほど、貴重な絵画であることを、初めてYさんから聞いて、実感し納得!したのです。
 
そんなこんなで、美術館めぐりは、あっという間に時間が過ぎて、"上野の森"に名残り惜しかったのですが、「また、二人で上野に来ましょう」と約束して、16時30分にYさんと別れて山手線に乗って、家路に着きました。
 
思わず心が洗われた、有意義な一日でした。
 
またまた、先週の日曜に続いて、今週も2/25(水)仕事が終わったあと、美術館めぐりへと足を運びました。
 
通常の美術館は17時まで で、その30分前までが入場できることになっていますが、17時まで仕事をした関係で、今回は、18時と19時まで鑑賞可能な美術館で、勤務先からも近い 都営新宿線乗り入れ京王新線「初台」駅から徒歩2分の「東京オペラシティータワー」の二つの美術館を観てきました。
 
入館時間ぎりぎりで、汗をふく時間を惜しんで、まず入ったのが1999年4月にオープンした「NTTインターコミュニケーション・センター」入館料は、無料です。

73_1.jpg「ライト・[イン]ライト−拡張する光、変容する知覚」の特設展が開催されていました。
展示場は、灯りを落としてあり、暗闇の中で、かなり、銀色の閃光(ストロボ)が走ったり、中には短時間だけに限定される「体験者の思考を(網膜を通して)撮影するカメラ」などの作品もあり、不思議な体験をしました。
 また、常設のオープンスペースには、いろいろなブースに、アートやテクノロジーの作品が並べられていて、視覚や聴覚、触覚に訴えてくる、さまざまな音響、手法を用いた実体験ができる、とてもハイテクな感じの空間でした。
 とくに、4階と5階をつなぐ階段を歩くと、階段の横に年表があり、そこに止まると、当時の出来事が音声で再生されるといった具合に、未知の経験ができて、先進的な科学技術、芸術と対峙できます。
 各種「映像」をはじめ、情報社会の芸術の推移がわかる、新しい感覚に触れられる、ユニークな美術館といえます。
 
 次に、同じ建物の3階にある「東京オペラシティーアートギャラリー」へ。
 
ここでは、特別展「都市へ仕掛ける建築 ディナー&ディナーの試み」があり、ディナー&ディナー(スイスの設計事務所で活躍する親子の建築家)の設計した作品群として、世界中の代表的な建物の写真、および工夫を凝らした建築物の設計図が数多く並べられていました。

photo04.jpg
 
小生は、建築については、よくわかりませんが、単に、そこに建物を造るというだけでなく、都市への時間・空間(歴史みたいなもの)を意識して、調和を考慮して建築することに意味があるのではないかという、問いかけではないでしょうか。
 狭い東京の、過密な住宅事情と、観光地での現代建築との調和の問題など、もう少しビジョンを持たないといけないと、改めて考えさせられました。
 
そのあと、絵画の「難波田龍起・史男」の油彩・水彩による風景画や静物画を観て、写実的な繊細さから、後に深みのある、ちょっと湿り気のある抽象画へのタッチの変遷を見て、常に芸術家は探究心が旺盛なんだな、と感じました。

難波田龍起《森》 油彩、キャンバス
60.6 x 80.3 cm、1951
photo: SAITO Arata
exh103_02.jpg













3.jpg閉館まで美術鑑賞しました。平日でも、19時まで開館していると、勤め人でも観れることができ、また館内は空いているので、ゆっくり観れるので便利ですよネ。
 ま た、「東京オペラシティーアート」の作品は、建物の2階にも吹き抜けの外部空間にふさわしい「シンギングマン」という巨大な像が立っていたり、天井から無 数に吊り下げられた金属パイプとステンレス円盤による「エアーダンス」とよばれるアートも観れて、その空間は気持ちを癒してくれました。
 
この頃、次が観たくなって週2回のペースになってきましたが、今度の28日(土)は"上野の森"に親友のY氏と初めて美術館めぐりをする約束をしました。
 
「今から、本当に楽しみです」。
2/21(土)の翌日、連ちゃんで、家から勤務先のH大学のある「市ヶ谷」から九段下へ。
日曜なので、店や会社は閉まっていたので、靖国通りも人がまばらで、普段の賑わいはありません。
 
まず、北の丸公園手前にある「昭和館」に入館。

p01.gif入口は、ちょっとわかりづらかったのですが、中に入ると、昭和27年生まれの小生に、懐かしい写真や、生活品がずらり。
 戦中・戦後の国民生活上の労苦を伝える実物資料が、たくさん展示されていました。各階に案内があり、常設展示では「戦中・戦後のくらし」の資料が、とくに戦中の資料では、第二次世界大戦時の敗戦にいたるまでの家族の思いがつづられている遺品が涙を誘います。靖国神社も歩いてすぐのところにあり、戦争で不幸な人生を送られた方のことを思うと、今さらながら戦争の悲惨さを痛感しました。
もうすぐ、原爆の日、そして終戦記念日。
「平和な日本」がいつまでも続くように、われわれ戦後生まれの人間も後世に伝えていかなくては、と思った次第です。
 貴重な記録写真、当時のニュースも再生でき、また、今は無いSPレコードによる戦後代表曲「赤いりんご」なども聴けて、世相を感じ取れます。
新聞や雑誌等の文字の配列が現在と反対になっていて、時代の表れと、現在の家庭電化製品の原型を見ると、復興後の日本の急速な経済発展は、すごかったんだなぁ、と改めて感じずにはいられませんでした。
 
次に行ったのは、2月14日(土)に鑑賞し忘れた「東京国立近代館」(本館)。
北の丸公園を出たところで公園内を歩いて5分で到着。
 
特別展「横山 大観《生々流転》」は、重要文化財にもなっており、「万物が永遠に生死を繰り返し、絶えず移り変わっていくこと」をあらわしており、大気中の水蒸気から水滴が生まれ、水滴が集まり川をなし、やがて海へと姿を変え、最後には龍なって天へ昇るという水の一生を、水墨画でききっています。

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長大な画面と、水墨画の濃淡、昇り龍の迫力は見事という他はありません。こんなに長大な作品を生まれて初めて観ました。
 
東京メトロ「竹橋」駅から、次に向かったのは、「二重橋」駅で下車。歩いて5分ほどで「東京国際フォーラム」内にある「相田みつを美術館」に到着。

image10.gifこころの道をたどる旅人、相田みつをの書画は、自分自身の心象の叫びをそれを見る、読むものに感動を与えてくれました。
 館内は、相田氏が毎朝散歩した古墳の山をイメージして、珪藻土(けいそうど)で覆われていて、ゆったり鑑賞できました。
 作品の言葉には、人生の奥深い意味が刻まれて、独特な書体がより情緒を醸し出して、語りかけて来る感じです





とくに、小生が一番気に入った作品は
 
ただいるだけで
 あなたがそこにただいるだけで
その場の空気があかるくなる
 
あなたがそこにいるだけで
みんなのこころがやすらぐ
 
そんなあなたになりたい
 
 みつを
 
 という作品です。相田みつをの壁紙ギャラリーにもたくさんの作品があります。
 自分もそのようになりたいと、日頃から思っていますが、なかなか難しいですね!
 何か、こころに響く大切なことを教わって、「自分は自分らしく前向きに生きよう」と決意して、有意義な一日を終えました。
 



先週の土曜に引き続き、2/21(土)勤務終了後、勤務先のH大学のある「市ヶ谷」から、東京メトロを乗り継いで、「乃木坂」駅で下車。駅から美術館へは直結していて、ほぼ目の前にある「国立新美術館」にまず入館。
当日は、現代日本画を代表する画家の「加山又造展」が開催されていました。

09073101.jpg何でも、西洋絵画の影響を受けたあと、小生の好きな「琳派」の屏風画の技法も取り入れた作品も観られ、また、水墨画や、着物や陶器の絵付け作品、それに、雑誌の表紙を飾る挿絵など、絵画以外にも、工芸品で、独特のタッチで描かれた作品は、とても素晴らしいのひと言で感銘を受けました。
加山氏の芸術に傾けた激しい情熱を垣間見ることができました。

黒い薔薇の裸婦」は、絵画とはいえ、妖艶な感じで、誘惑されそうな圧倒感があり、洗練さも出ていました。









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きれいで広い館内のスペースには、その他に、ちょうど、現日会による「選抜書道展」も開かれ、美しい書や、 個性的な手法による力強い書が、様々な書体で書かれていて、高校で書道を取って、興味のある小生は、 「このくらいに書けたらうれしいのに」と、ただただ、うらやましく感心していました。

また、別会場では、「東京美術五大学連合卒業・終了制作展」 (女子美術大学・東京造形大学・日本大学芸術学部・武蔵野美術大学・多摩美術大学)と、 「第60回東洋美術学校 卒業制作展」も同時開催されていました。 美術志望の在校生たちの、"若き美術家の卵といった方が適当かどうか"は別にして、日本画・油絵・版画・彫刻・イラストなど 斬新かつ独創的な作品も数多く観られ、出品している美術家のたくましいエネルギーを感じる作品に、 つい時間も忘れて魅入ってしまいました。
中には、すでに、個展を開けるほどの実力者もいらっしゃいました。「本当に、みんな すごい!」という感じ。 作品を紹介できないのは残念ですが、例年、2月中旬から3月初めまで開かれているそうなので、 新進気鋭の美術家の作品は、相当に刺激感があるので、皆さんも足を運んでみてはいかがですか。 少なくとも、小生は今回、鑑賞できて本当に良かったです。 後に、親友のY氏に聞いたことですが、Y氏も武蔵野美術大学の卒業生とか。

 六本木方面は、十数年前に、一度、忘年会で来たことがある程度なので、まったくといっていいほど、地理には疎いのです。幸い、「六本木近辺のてくてくマップ」を見つけて、六本木の町を、若者風にぶら〜り歩いて行きました。 東京ミッドタウン」前の「ガーデンサイド」の2階にある「サントリー美術館」で「国宝 三井寺展」で滋賀県にある円珍(智証大師)が建立した、三井寺の仏教美術の不動明王像、壁画、紹介ビデオなどを観てまわり、館内は照明を落として、仏像が浮き上がる演出もありました。

09073103.jpg弘化四年(1847)に冷泉為恭が原本を忠実に模写したもの。 ※実際の金色不動明王画像とは異なります。 門外不出ということなので、見納めになることを思い、目を凝らして注視しました。

その後、歩いて15分ほどで、最近、六本木の象徴でもある「六本木ヒルズ」に到着。
ここには、「森美術館」と展望台も観れる「セット券」がありましたが、かなり、「新美術館」で時間を超過したのと、料金が高いので、「せっかく六本木に来たのに」とは思いましたが、次の機会に譲ることにして、また、てくてく戻って、「溜池山王」から東京メトロに乗って、家路につきました。...
 
 
加山又造の円熟した作品と、若い美術家の「創造力」の作品に酔いしれた、貴重な一日となりました。

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