久しぶりの美術館めぐり(パート7)

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2/28(土)午前10時に、JR上野駅の公園口でYさんと待ち合わせて、多くの美術館や動物園のある
"上野の森"を、天気にも恵まれて、ぶらぶらと二人で散策しました。
 
この頃、ずーと"美術館めぐり"をしているので、とても充実した日々が過ごせていましたが、
いつも一人で歩いたので、二人で観る楽しさが、今回はできるので、とても楽しみにしていました。
 
まず、向かったのが、「東京国立博物館」。
広い敷地に、たくさんの絵画や彫刻が展示されていて、ゆっくり鑑賞すると、半日かかってしまうかも
知れないというほど、多くの美術品が並んでいます。
 
最初に、表慶館の「未来をひらく福沢諭吉展」に足を運びました。
Y氏は、私の職場がH大学ということもあり、「入るのは、どうしますか」と言ってくれましたが、
私は「関係ないですよ。参考になるのと、興味があるので入りましょう」と言って、二人で館内に入り、
慶応義塾創立者で150年になる福沢諭吉の足跡を目の当たりにして、
近代日本の思想家の精神を大いに感じた次第です。
 
福沢諭吉といえば、「一万円札の肖像」や『学問のすすめ』『文明論之概略』の著者としても有名ですが、その先導的な思想にもとづく遺品、書簡、自筆草稿なども多数出展されていて、明治時代の知識人で無位無冠の一市民を貫いた生き方は見習うことができます。
 
次に、平成館では、開山無相大師650年遠諱記念 「妙心寺」特別展が開催されてていて、
妙心寺に伝わる墨蹟・唐物・唐絵、そして室町〜江戸時代にいたる華麗な屏風や襖絵、
禅文化の貴重な重要文化財、国宝などが紹介されていて、国宝「瓢鮎図(部分)」如拙筆は、
とても貴重なものでした。
「達磨像」の書画もよかったのですが、ポスターにあった、「龍虎図屏風」狩野山楽筆(2月8日まで)は、残念ながら、観られませんでした。

 平成館から続いている本館の中をひととおり観て、一番目の東京国立博物館を出ました。
 
歩道に沿って歩いていたとき、「黒田記念堂」が見えました。
建物を見ていると、堂の受付の方が、「今日は入館できます」とのこと。
公開日は木・土曜で、二人は全然知らなかったので、寄ることにしました。「ちょー、ラッキーでした」。
黒田清輝の有名な「湖畔」や、女体の美を描いた「智・感・情」などの作品を観て、感動しました。
淡い色を基調にして、繊細なタッチで描く絵画は、西洋絵画の影響を受けながら、
観ている者に、暖かさを与えてくれる感じがしました。
 
 次に、まだ一度も訪れたことの無い「東京都美術館」にYさんに案内されて、
「生活と芸術―アーツ&クラフツ展(ウィリアム・モリスから現代まで)」を観ました。
 
生活の中の芸術という感じで、家具や壁紙、スプーン、服飾、グラヒック、民芸品が、
様々な装飾や工夫を凝らして展示されていました。かなりの入館者で賑わっていました。
現在の大量生産からは、絶対、生み出せないような、素朴さや伝統美のデザインが、
当時の生活の中に見出され、輝いていたことが想像されます。
 
ここで、くたびれたので、館内で「ティー・タイム」。しばし、雑談に花が咲きました。
 
一息入れたあと、本日、最後の美術館めぐりの「国立西洋美術館」へ。
 
中に入ると、館内は異様な雰囲気と、熱気。それもそのはず、本日から6月14日までの「ルーヴル美術館展」が開催された初日にぶつかったのです。
 
今回は、時代で区切らず、3つの大きなテーマで構成されていて、「「黄金の世紀」とその陰の領域」、「旅行と「科学革命」」、「「聖人の世紀」、古代の継承者?」で分類されていて、宮廷的な世界と貧しい農民の姿、宗教改革以後のキリスト教社会の宗教画などが、レンブラント、フェルメール、ルーべンスをはじめとする代表画家の作品が威風堂々という感じで、並んでいました。人物像など、余りにもリアリティーあふれる作品で、写真と見間違えるほどの緻密な作品と、色彩の濃淡の使い方は、"本日のトリ"にふさわしい内容でした。
 
とくに、人だかりの多かった、フェルメールの「レースを編む少女」は、もっと、額の大きな作品を想像していたのに、他の作品に比べて、意外なほど小さな作品であるにもかかわらず、圧倒感があり、値段がつかないほど、貴重な絵画であることを、初めてYさんから聞いて、実感し納得!したのです。
 
そんなこんなで、美術館めぐりは、あっという間に時間が過ぎて、"上野の森"に名残り惜しかったのですが、「また、二人で上野に来ましょう」と約束して、16時30分にYさんと別れて山手線に乗って、家路に着きました。
 
思わず心が洗われた、有意義な一日でした。
 

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このページは、hatochanが2009年8月20日 14:55に書いたブログ記事です。

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