先日の東北大震災の影響で、一時、食料品や飲料の買い占めがあり、現在は収まって来ていますが、節電は続いています。今夏の電力不足には、危機感さえ漂っています。しかし、電車などの車内照明、構内のエスカレータの制限・停止は、電力不足のためには、我慢できる範囲です。諸外国に比べても夜の町並みは明る過ぎるとも言われてきました。小生は同じような経験をして来たので、省エネは当たり前だと思います。資源には限度があるので、リサイクルは進んで実行しています。
というのも、小生が大学2年の1973(昭和48)年、第一次オイルショックがあって、テレビの深夜放送の打切りや、トイレットペーパー、洗剤の買占め、デパートのエスカレーター運転停止、ネオンサインの早期消灯などの社会現象がありました。その時は、中東の原油価格の高騰により、日本は多大な影響を受けてしまい、総需要抑制政策に基づいて省エネルギー技術の研究開発への促進の契機となりました。
中東の石油に極端に依存していることが明白となり、中東以外での新しい油田開発、調査が積極的に行われるようになりました。原子力や風力、太陽光など非石油エネルギーの活用の模索が始まりました。その後、日本はエネルギー対策として、皮肉にも原子力開発を推進する結果となりました。
前から、原発の安全性には多くの疑問がありましたが、コストが安価なことから、各電力会社と国の政策として、次々と原発を建設し、稼動して来ました。現在は、電力全体の約30%を占めています。
わが国は地震国であることを軽んじて来た結果、今回の東北大震災で、福島第一原発事故。想定外の規模と関係者は言わていますが、その地域の多くの人々が、震災2カ月後でも、まだ避難所から帰れずじまい。一部の村民の帰宅も防護服着用でわずか2時間、一袋の持ち帰りのみというのは、何のための一時帰宅か、筆舌に尽くしがたい状況です。
原発があったことだけで、何の関係も無い人々が避難所で今も苦労して生活している現実は、本当に一日でも早く収束させなければ、可愛そうだと思います。
今日の夕刊では、またも「水位の低下で、1号機の燃料棒全露出か―」という記事があり、今後の収束への見通しに、暗雲が漂って来ます。現場では懸命な作業で、最善策を講じているのでしょうが、あまりにも事故が複雑すぎて、新たな事実が発覚し、素人から見て、何か事故対策に抜けがあるような気がしてなりません。
補償問題も大事でしょうが、早くふるさと、自宅に帰れて、復興、生活できるように東電はもちろん、国が先頭になって、全力をあげてもらいたい。また、今後のエネルギー政策は、原発の安全性を厳密に検証して、事故を防ぐ手段を講じても安全ではないこと、事故が起こった時の多大な被災が深刻なことを考慮して別のエネルギーを模索すべきです。
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