東北地方・太平洋沖大震災から1ヵ月が過ぎましたが、未だに余震が終息する気配がありません。被災地の皆さんはもちろん、われわれも毎日、震度4~5ぐらいの余震の頻繁さに、正直、神経質になっています。思えば、3月11日以前の生活や気持ちのモチベーションが懐かしくもあり、細かい不満はあったにせよ、今から考えると何不自由なく幸せでした。この間、深夜の余震の怖さ、さらに昨日も電車の車内で、携帯電話の緊急地震速報のけたたましい音が一斉に鳴り、一様に身構えてしまうことや、テレビ画面で速報のお知らせなどがあると、つい揺れに恐怖する自分がいます。何とも心休まらない日々が続きます。
テレビや新聞の被災地の凄惨な報道を見るたびに心が暗くなっていましたが、少しずつ復興の情報も流れて、同じ日本人として心強く思えてきました。しかし、福島第一原発事故から次々と起こる被害の拡大。とりわけ、放射能の被害は深刻で、汚染水の海への流出で漁師、野菜、米の作付け制限などで農家の出荷制限・風評被害などの死活問題。離れている千葉県でも、スーパーでの野菜、魚の買い控えと逆に飲料水の買占めが起こりました。
そうした中、昨13日、経済産業省原子力安全・保安院が福島原発事故の「国際原子力事象評価尺度(INES)」で「レベル5」から「レベル7(深刻な事故)」(もっとも重大)に暫定評価を引き上げました。地震の被害経過で、12日にレベル4、18日にレベル5という暫定評価が1ヵ月たって、当時の放射能漏れの新たな数値発表で、いきなり2段階も引き上げられるのは、評価の見方のずさんさと、悪い情報は開示しないという操作があったと疑われても仕様のないことです。
最初から、国民に甘い見通しでお茶を濁すくらいなら、最悪のシナリオを話すべきです。
原発事故のために避難している人々には、大きなショックで、さらに追い討ちをかけるような菅首相の発言?がありました。「福島第一原発から半径30キロ圏内などの地域について、そこには当面住めないだろう。10年住めないのか、20年住めないのか」と。これは、何とも住民感情を逆なでする内容で、避難民が元の土地に帰ることが当たり前なのに、原発のために戻れないという、憤懣やるかたない現実。はっきりと、国が責任を明確にして、慎重な発言をすべきです。せっかく、少しずつ「がんばろう、日本!」という気持ちで、少しずつ復興が進んで来ているのに。被災者は、何と言っても「住む場所の確保」。できれば、今までの土地に住みたいに決まっています。それができないなんて、どこにその不満をぶつけたら良いでしょう。東電の責任はもちろん、国が避難者の生活支援などに全面的に責任をもつことが重要です。
原発事故処理には、関係者が決死の覚悟で、頑張っているのはわかりますが、上の方からどんどん悪い情報が流れると、われわれ国民にとっては不安心理だけが増長して、ますます混迷が深まって来ます。まだまだ時間がかかりそうですが、情報提供の正確な開示と、今後の補償問題や、エネルギー政策の見直しに一縷の希望の光を見出したい。そして、一日でも早く地震の少ない(できれば無い)日々が来ることを祈りたい。
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