ちょうど、妻の実家に帰っていた5日(金)の夕刊の報道に「尖閣諸島沖での漁船衝突事件」の状況のビデオが、インターネットの動画投稿サイト「ユーチューブ」に流出したことを、6日(土)に帰宅後、初めて知り、とても ビックリしました。
早速、家のパソコンで、動画を確認したところ、まさしく事件当日の中国国籍(画面で判断できる)漁船が、海上保安庁の巡視船の「静止命令」を無視し、日本側に衝突してきた状況が、肉声入りで収録されている様子が鮮明に映っていました。
これまでは、ビデオの公開の無いままに、真実はわからずに、この行為等により、海上保安庁が、公務執行妨害容疑で、中国人船長を逮捕したのですが、その後、中国本土からの抗議や、検察の判断で、逮捕まもなく船長を釈放するに至るという経過になりました。
予算委員会での野党からの質問でも、繰り返し、政府の対応に批判が集中し、ビデオの存在がクローズアップされて、衆参予算委員会の理事たちのみに公開し、国民一般には、公開されていなかったのです。
その後の報道で、今回、流出した映像は「本物である」と断定されて、海上保安庁の内部の人間の犯行ということで、前代未聞の「国家の機密漏えい」という事件に発展しています。
ビデオの保管状況や流出経路の調査が進むと思いますが、小生は「なぜ尖閣諸島がわが国の領土であるならば、事件発生時にこのビデオを公開しなかったのか? また、中国の圧力に屈せず、証拠資料として、世界各国に問題提起しなかったのか?」深い疑問を持ちました。
それに加えてビデオ流出事件は、「国家機密の保持(危機管理)体制」の漏えいという、日本という国に対する各国の信用・信頼という、別の問題を生んでしまいました。
「真実は一つ」ということが、昔から言われます。今回の真実を主張するには、外交という、かなり難しい局面を乗り切らねばならない大変さは解りますが、衝突事件について政府の外交の稚拙さは情けない限りです。日米安保という、世界一の大国アメリカをバックにした外交ができたはずです。
前回の衆議員選挙で国民の支持を得て310議席の過半数以上で、政権交代を実現させた民主党への信頼・支持率は、これで急速に減ることとなるでしょう。
ビデオが流出したのは、「国民が知る権利」を意識したものとも考えられるし、ある意味、自由な民主主義がある日本らしい、といえばそうですが、数多くの問題と外交面でのエキスパートの育成を痛感させました。
北方領土問題でのロシア首相の国後島視察時も、外交の弱い日本を見下す行為、発言にもがっかりしました。
日本の最高責任者である、菅 首相の弱腰・慎重発言は、本当にこの国を良くするためのリーダーシップをとっていないと断定せざるを得ません。ポリシーが無い、そのものです。
多様な情報化の現代社会では、インターネットの情報開示は、利用によってはユーザーに大変便利です。しかし、情報管理、機密の漏えいといったことになると、一段と必要なチェックがかかるようにしないと、今後、大問題(犯罪など)が発生する可能性が増えるので、真剣に考える必要がありますネ。
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